適格請求書発行事業者の登録の取消し届出書の提出時期に関する注意事項

令和元年10月1日からの軽減税率導入により、消費税の経理には「区分記載請求書等の保存」が必要になりました。

 

更に4年後には、「適格請求書等保存方式」がスタート。

 

消費税の経理には、国から登録を受けた事業者のみが発行可能である、適格請求書等の保存が必要になります。

 

免税事業者の方が適格請求書等を発行するためには、年商1,000万円以下であっても、消費税の課税事業者となる事が必須。

 

前回、請求書等発行事業者の登録関係について、いくつかの注意点をザックリ説明をしました。

 

今回は逆に、適格請求書等発行事業者の登録の取り消しに関する注意事項について、ザックリ確認をしておきたいと思います。

 

 

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適格請求書発行事業者が課税売上1000万円以下になった時

年間の課税売上高が1,000万円以下になった場合、原則としてその2年後からは、消費税を納める義務は免除され、免税事業者となります。

 

しかし、適格請求書等発行事業者の方は、請求書発行事業者の登録を取り止めない限り、免税事業者になることはできません。

 

その理由は、適格請求書等の発行は、消費税の課税事業者のみに許可されているためです。

課税売上が1000万円か否かに関わらず、適格請求書等を発行できるだけで消費税の納税義務者と取り扱われます。

 

 

よって、課税売上高が1000万円以下となり、免税事業者を希望する場合は、適格請求書等発行事業者の登録の取り止めが必要です。

 

なお、免税事業者の方が課税事業者選択届出書を提出していた場合には、「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出も忘れずに行いましょう。

登録取消届出書の書式

登録取消の届出書は下記の通りです。

提出時期により、登録失効時期が異なりますので注意が必要です。

 

 

適格請求書発行事業者の取り止め

適格請求書等発行事業者の登録の取り止めには、上記「登録取消届出書」の提出が必要です。

しかし注意点として、届出書の提出時期により、登録の取り消しとなる時期が変わってきます。

今回は、2つの注意事項のアップしておきます。

①届出書を提出した課税期間の翌々課税期間から取止となる場合

事業年度12か月目中に、登録取消届出書を税務署へ提出した場合には、翌々事業年度から請求書登録事業者から抹消されます。

(1か月が31日間の場合です。)

 

ここで法令上正確述べると、下記のように書かれています。

とてもヤヤコシイ書き方をされています。

「登録取消届出書を提出した日の属する課税期間の末日から起算して30日前の日から、その課税期間の末日までの間に取消届出書を提出した場合、登録の取消は、取り消し届出書を提出した課税期間の翌翌課税期間」

 

例えば、個人事業主や12月決算法人の場合、課税期間の末日(12/31)から起算して30日前の日とは、12月1日を指します。

【例:個人事業主や12月決算法人で12/1から12/31までに登録取消届出書を提出】

 

 

上記の場合、登録取消の効果が1年先となるため、いつから登録事業者の失効をしたいのか、事前に考えておく必要があります。

②届出書を提出した課税期間の翌課税期間から取止となる場合

上記①以外の期間の間に、登録取消届出書を税務署へ提出した場合には、翌事業年度から請求書登録事業者から抹消されます。

 

免税事業者の方や2年前の売上が1,000万円以下となり、免税事業者に戻りたい場合には、早めの提出が必要です。

【例:個人事業主や12月決算法人で11/30までに登録取消届出書を提出】

 

注意事項

・課税売上が1,000万円以下となった場合でも、請求書等発行事業者である場合、登録取消届出書を提出しない限り、消費税の納税義務は免除されません。

 

・登録取消届出書は提出時期により、請求書発行事業者の失効時期が異なります。

 

・いつから登録を取り消したいのか決めた上で、登録取消届出書の提出時期を誤らないよう注意しましょう。

まとめ

消費の納税事務者の制度は現在複数存在し、わかりにくい状況ですが、適格請求書発行事業者という制度の創設により、新たな納税事務者の制度が増えました。

 

同じような制度がいくつも存在し、分かりにくい状況ですが、書類の提出日の誤りで不利益が生じてしまうため、事前の確認を徹底しておく必要があります。