初めての確定申告は必ず手書きで申告書を作成しよう

令和元年度の確定申告より、給与所得者や年金所得者、また雑所得や一時所得の方を対象に、スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、スマホからe-taxを行う事が可能となります。

 

その利便性不明ですが、自宅から簡単に申告を行う手段が増える事は良い事です。

 

国税庁のe-taxは、税理士が使用する税務ソフトと比較しても、遥かに操作がわかりやすく、非常に優れています。

 

給与所得のみであれば、与えられた枠を埋めていくだけで、確定申告書の作成が完了します。

 

よって、スマホから申告が可能であれば、難しい事を考える手間を減り利便性が高まります。

 

しかし、せっかく申告を行うのであれば、

自身の税金がどのように算出されていくのか、一度自分でじっくり理解してみましょう。

 

特にフリーランスやサラリーマンの方が、初めて確定申告を行う場合、自分の所得税がどのように計算されていくのか、その根拠を把握する絶好の機会です。

 

所得税確定申告書は、所得税の計算体系を把握することができるように作成されています。

 

初めての確定申告は、必ず自分で手書きで起こしてみましょう。

 

そして、自身の税金が一体どのように計算されていくのか、自分で把握しておきましょう。

 

その為に、青色決算書、所得税確定申告の概要について、ざっくり触れておきます。

 

all paints by Ryusuke Endo

青色決算書を書いてみよう

事業をされている方が青色申告の届け出をされている場合、青色決算書の作成が必要です。

 

青色決算書は、貸借対照用、損益計算書、減価償却明細、売上等の内訳など4枚に渡ります。

 

まず所得が算出されるまで、どのような手続きが必要なのか、自分の手で確認しましょう。

①売上や仕入、給与等の明細

下記のページでは、月別の売上と仕入、給与賞与、専従者給与などの内訳を記載します。

 

月別売上金額と仕入金額の記載により、1年の概ねの規模を把握できます。

 

給与等の内訳では、支給額や源泉徴収税額が、源泉徴収票と一致する事を確認しましょう。

 

 

 

 

②減価償却費等の明細

下記のページでは、主に減価償却費の計算が行われます。

 

所有する事業用資産がパソコンや車両等だけの場合は、償却費の計算は難しくはありません。

 

青色決算書等の手引きを確認しながら、自分で減価償却の計算をしてみましょう。

 

償却の計算根拠を把握することができるチャンスです。

 

 

 

③損益計算書

①と②、そして各経費勘定の金額を元に、損益計算書を書いてみましょう。

 

損益計算書では、収入から経費を差し引き、事業の儲けである所得金額(事業所得)が算出されます。

 

事業所得の金額とは、65万円もしくは10万円の青色申告特別控除を差し引いた後の金額です。

 

法人の決算書に置き換えると、当期利益に該当する部分です。

 

事業所得とは、一体何の金額の事をいうのか考えてみましょう。

 

 

 

 

④貸借対照表

各勘定科目の12/31の残高を参考にして、事業に関する現金や普通預金、パソコン、未収入金などの資産、そして未払金や借入金などの負債の金額をを書いてみましょう。

 

貸借対照表では、12/31時点の事業に投入した財産と負債のバランスを把握できます。

 

事業に投入した財産と負債がどちらが多いのか、手で書いて確認をしましょう。

 

 

確定申告書を書いてみよう

下記は確定申告書B表は、すべての方が使用可能です。

 

税金の計算方法は、所得金額や個人の資産背景に関わらず、全ての方が同じ方法です。

 

所得税の確定申告書は、ざっくりこんな形式に出来上がっています。

 

 

 

①収入金額を記載する

事業をされている方の場合は、㋐の欄に、年間売上合計金額が記載されます。

 

いわゆる年商と言われる金額です。

 

また、サラリーマンの方であれば、㋕の欄に、健康保険や厚生年金、雇用保険、税金等が差し引かれる前の給与総額が記載されます。

 

自分の収入が、1年間でどのくらいあったのか確認しましょう。

 

 

 

 

②所得金額を記載する

①の収入から、1年間の経費を差し引いた金額(所得金額)を記載します。

 

いわゆる申告所得と言われる金額です。

 

1年間働いた結果、実際にどの程度の儲け(利益)を生み出したのか確認しましょう。

 

この所得金額が、各自の税金が算出される大元となる部分です。

 

しかし、単純に、所得金額に対して課税されるわけではありません。

 

 

 

 

③所得から差し引く金額を記載する

所得金額からは、医療費や社会保険料控除、生命保険料や寄附金控除、扶養控除などが差し引かれます。

 

所得から差し引く金額が増えれば、課税される所得も減少する為、大きな節税に繋がります。

 

 

 

 

④課税所得と所得税額算出

②の所得金額から③の所得控除を差し引き、課税される所得金額が算出されます。

 

課税所得は、所得税が算出される根拠となる金額です。

 

そして課税所得の金額に応じて、乗ずる所得税の計算方法が決まっています。

(税率は → 国税庁:所得税の税率)

 

なお、課税所得の概ね10%が市県民税の金額となります。

 

 

 

 

⑤所得税から差し引く金額

住宅ローン控除に代表されるように、所得税を直接減額する制度が税額控除です。

 

不運にも、災害に遭遇した場合にも、所得税を直接減額する措置をとることもできます。

 

 

 

 

⑥復興特別所得税

④により算出された所得税額から、⑤の所得税から差し引く金額を控除した後の金額に対し、2.1%の復興特別所得税を計算します。

 

 

 

 

⑦年間の所得税額

所得税額(④から⑤を差し引いた金額)と復興特別所得税額を合計した金額が、年間の所得税額となります。

 

いわゆる申告所得税額と言われる金額です。

 

予め源泉徴収された金額がある場合には、それを差し引いて納税しますが、この部分が正味自身が負担すべき所得税額です。

 

 

 

まとめ

個人事業主用の一般的な会計ソフト、またクラウド会計を利用していれば、青色決算書や確定申告書はほぼ自動的に作成されます。

 

間違えやすい複雑な計算を、わざわざ人間が電卓を叩く必要性はありません。

 

しかし、事務作業を合理化する事と、物事の根拠を把握・理解して自分のものにする事は全く別ものです。

 

「合理化=人間が考える行う必要はない」ということであり、「合理化=人間が考えなくていい、知らなくていい」といわけではありません。

 

所得税の計算体系の把握には、自分の手を動かし、頭で考える事が一番の近道です。

 

フリーランス、サラリーマン問わず、初めて確定申告される方は、ぜひ一度自分の手と頭で確定申告書を書くことをおすすめします。