売上収入300万円超の副業者の雑所得の申告方法の改正について

せどり等の転売、YouTuber、アフィリエイト、出版、講演など副業を行う方の場合、雑所得として確定申告されている方が殆どです。

 

副業として雑所得に該当する小規模な事業は、現状、損益計算書や収支計算書の添付義務はありません。

 

また、申告に伴い集計をした計算根拠について、法令上、保存義務はありません。

 

しかし、本年、令和2年分の売上が300万円を超える方の場合、令和4年分の確定申告について大きな改正があります。

 

 

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前々年の売上が1,000万円超の場合は収支計算書が必要

令和4年分の確定申告から、2年前の売上が1,000万円超の場合、収入や経費の内容を記載した書類が必要です。

 

いわゆる、収支計算書の添付が必要になります。

 

直近であれば、令和2年の売上が1,000万円を超えると、収支計算書の添付が義務になります。

 

 

 

 

現状では、売上と経費は各自で手書きやエクセルで集計し、その合計金額を確定申告書第2表と1表に記載するだけでした。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、令和4年分の確定申告から、2年前の売上が1,000万円超の場合、上記に加えて収支計算書を添付します。

 

 

前々年の売上が300万円超の場合は帳簿の備え付けが必要

令和4年分の確定申告から、2年前の売上が300万円超の場合、帳簿書類の作成と保存が必要です。

 

義務化される帳簿書類は、現金や預貯金関係に限られます。

 

 

 

 

副業のような雑所得の場合、現状、収入や経費の算出根拠となった帳簿の備え付けは義務ではありません。

 

しかし、収入や経費の集計、雑所得金額算定の為、クラウド会計を利用したり、各自手書きやエクセル集計表を作成し、領収書の保存をしているはずです。

 

今回の改正により、これら帳簿保存の備え付けが、法令上、義務化されました。

 

現状において、帳簿書類の保存や作成を行っている方であれば、下記の書類の保存を確実に行う必要があります。

 

・収入や経費の集計表

・現金収入の集計表

・現金支払の集計表

・雑所得の収入や経費に関わる預金通帳の保存

・仕入や経費の領収書(web媒体の場合はPDF等で保存)

・収入の根拠となるweb媒体レポートの保存(PDF等)

・各ASPレポートの保存

・在庫表の作成

 

前々年の売上が300万円以下の場合は現金主義が可能

令和4年分の確定申告から、2年前の売上が300万円以下の場合、現金主義による収入と経費の計算が可能になります。

 

現状の収支計算では、12月に売上げ、翌年1月以降に入金される取引も、12月の売上に含めなくてはなりません。

 

また12月に購入し、支払が翌1月以降の経費等も、12月の経費とする必要があります。

 

小規模な副業者の方の場合、収入や経費等に支出は現金で取引する事も少なくありません。

 

今回の改正により、現金で収受したものだけを収入に、また現金で支払ったものだけを経費とする事が可能です。

 

 

 

 

 

ただし、現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書の提出が必要とは発表されていません。

 

今後、必要である事が発覚した場合は追記をします。

根拠法令

【現行の参考根拠法令】

所得税法第67条(小規模事業者の収入及び費用の帰属時期)

 

所得税法施行令第196条(小規模事業者の収入及び費用の帰属時期)

 

所得税法第120条第6項(確定所得金額)

 

所得税法第232条(事業所得等を有する者の帳簿書類の備付け等)

 

所得税法施行規則第102条(事業所得等に係る取引に関する帳簿の記録の方法及び帳簿書類の保存)

 

改正法附則5、7、10、11

まとめ

今回は主に副業者にとって重要な雑所得の申告に関する改正についてザックリまとめました。

 

帳簿保存の義務化については、現行において会計ソフトや各自で集計表を作成し、売上根拠のレポートや経費の領収書を保存していれば、それ程大きな変化ではありません。

 

ただし、令和2年の売上が1,000万円を超える方は、収支計算書の添付が必要になります。

 

多額の売上がある場合、慌てる事がないように、今から準備しておきましょう。