償却資産および事業用家屋に係る固定資産税等の軽減申告書の作成について

新型コロナよる事業者向け支援の一貫として、令和3年分の固定資産税等の軽減措置が発表されています。

 

軽減対象は建物や家屋だけでなく、事業用設備に関する償却資産税も対象です。

 

また自宅兼店舗・事務所の家屋も、確定申告書に記載した事業用割合に基づき、固定資産税が軽減されます。

 

税理士が関与していない個人の方は、制度内容を知らない方もいるようです。

 

売上減少要件に該当し、税理士、商工会、青色申告会(以下、税理士等)の確認書を取得すれば、固定資産税軽減が可能な場合があります。

 

年明けの償却資産税申告書の提出に間に合うよう、今回は一般納税者向けに、固定資産税・都市計画税の軽減の申告書の作成方法について、ザックリ説明します。

 

 

 

all paints by Ryusuke Endo

 

固定資産税軽減要件

固定資産税軽減対象者は下記の通りです。

 

個人事業主の方であれば、多くの方が対象になります。

 

 

◆軽減対象者◆

・個人 → 常時使用する従業員が1000人以下

・法人 → 資本金の額又は出資金の額が1億円以下

 

 

また軽減対象資産は、事業で使用する建物や設備です。

 

 

◆軽減対象資産◆

・事業用建物

・自宅兼事務所・店舗(確定申告書に記載した事業用割合部分のみ)

・機械、備品。車両、付属設備、構築物等の償却資産税申告資産

 

 

軽減対象となる要件は、売上が下記の条件に該当する場合です。

 

 

◆売上減少要因◆

令和2年2月~同年10月の任意の連続する3か月間の収入が前年同期間に対し、30%以上軽減率している事。

※減少率により、軽減率が変化します。

  ・減少率50%以上…全額免除

  ・減少率30%以上~50%未満…2分の1軽減

 

 

売上が減少した旨を各役所所定の軽減申告書に記載し、客観的に売上減少が確認できる書類を添え、税理士等に確認してもらいます。

 

そして税理士等に確認書を発行してもらい、市役所へ軽減申告書を提出します。

 

第3者(税理士や市役所)が売上減少を認識できる書類は、下記の書類を用意しましょう。

 

 

◆売上減少が確認できる書類◆

・令和元年分 青色決算書の全てページ(白色の場合は収支計算書)

・令和元年分 売上元帳(白色の場合は売上帳簿)

・令和2年分  売上元帳(白色の場合は売上帳簿)

 

 

以下、令和元年の7月10日に新規開業した場合として、固定資産税の軽減申告書を作成します。

 

固定資産税減免申告書の作成 事業収入割合の算定

令和2年7月~9月の3か月間の売上が、令和元年7月~9月の3か月間と比べ、30%以上減少したと仮定します。

 

まず、令和2年7月~9月の売上総勘定元帳を用意し、軽減申告書の事業収入割合に記載します。

 

 

 

 

 

次に、令和元年分青色決算書と令和元年7月~9月の売上元帳を用意します。

 

そして令和元年7月~9月の売上と、青色決算書の月別の売上金額の令和元年7月~9月の売上が一致しているか確認します。

 

 

 

 

 

次に軽減申告書の事業収入割合に、令和元年7月~9月の売上を記載します。

 

令和元年分青色決算書の月別の売上金額の7月~9月の売上金額を、軽減申告書に転記します。

 

 

 

 

30%以上の売上減少割合が確認できれば、軽減の条件に合致します。

 

減少割合を記載して、事業収入割合の記載は終了です。

 

 

 

 

 

令和2年と令和元年の売上元帳、また令和元年の青色決算書により、客観的に売上減少の事実が把握できました。

 

事業収入割合の記載に用いた元帳や青色決算書は、証拠資料として、確認書を発行してもらう税理士や市役所へ提出します。

 

固定資産税減免申告書の作成 特例対象資産の記載

次に固定資産税軽減対象となる資産を記載します。

 

対象資産が建物の場合、事業用家屋にチェックし、納税通知書の番号を記載します。

 

対象資産が市役所へ申告している償却資産の場合、償却資産にチェックし、納税通知書の番号を記載します。

 

そして必ず年明け1月31日までに、償却資産税の申告書と共に、軽減申告書を市役所へ提出します。

 

 

 

 

対象資産が家屋の場合、別紙、特例対象資産の明細に、家屋の所在地と家屋番号を記載します。

 

なお、家屋が自宅兼店舗・事務所の場合、確定申告に用いた事業割合を記載します。

 

青色決算書の減価償却明細から事業割合の数値を転記します。

 

 

 

 

 

これで事業収入割合や対象資産の作成は終了です。

軽減申告書に税理士等の確認をもらう

事業収入割合と特例対象資産を記載したら、軽減申告書を税理士等に確認してもらいます。

 

売上減少を確認できる資料(事業収入割合作成時に使用した書類)を全てを添付し、必ず税理士等に確認をしてもらいます。

 

税理士等に確認書を発行してもらい、軽減申告書とともに市役所へ提出します。

 

対象資産が事業用設備の償却資産である場合、くれぐれも年明けに償却資産税の申告書の提出を忘れないようの注意しましょう。

 

まとめ

今回は新型コロナウイルスによる固定資産税等の軽減申告書の記載について、ザックリ説明しました。

 

税理士が関与されてない方は、自身で軽減申告書を作成し、税理士や商工会等に確認してもらう必要があります。

 

また、対象資産が償却資産である場合、償却資産税申告書の提出が条件となっています。

 

お住まいの役所ごとに申請書や添付書類が異なる事もあるので、必ず市町村のHPを確認しておきましょう。