NFTを販売・売買した場合に想定される税務上の課税関係

令和3年3月以降、NFT取引を行う方が増えたようです。

 

自分の作品を容易に世界に向けて発信可能であるため、会社員の副業としても、急速に広がっていると聞きます。

 

そこで問題になることは、NFT取引に関わる税務上の取り扱いです。

 

2022年1月時点において、NFT取引に関する取り扱いは公表されていません。

 

そこで現時点で想定される課税関係について、ザックリ推測しながら説明します。

 

※以下は考えられる課税関係であり、一切責任を負いません。

 

※暗号資産取引は、総平均法を採用することを前提としています。

 

※NFT売買に伴う課税関係は、納税者本人が責任をもって判断する必要があります。

 

 

all paints by Ryusuke Endo

 

NFT取引の課税関係は公表されていない

2022年1月現在、NFT取引に関する税務上の取り扱いは公表されていません。

 

現時点で考えれる合理的な方法により、確定申告をする必要があります。

 

NFT取引は暗号資産取引と表裏一体であり、必ず確定申告をする事をお薦めします。

 

ネット取引は全世界に発信しているため、100%発覚すると考えて間違いないからです。

 

取り扱いが公表されていないからといって、無申告ではいけません。

 

現時点で、合理的と考えられる課税関係は、事業所得、雑所得、譲渡所得の3通りです。

 

以下、一般的に行われる下記のNFT関連取引について、ザックリ課税関係を推測します。

 

 

① 暗号資産を購入(取引所からウォレットに送金)

② NFTを製作・発行 

③ 製作したNFTを販売 

④ NFTのロイヤリティを受領 

⑤ 販売して受領した暗号資産を日本円に換金(売却、交換等) 

⑥ NFTを購入  

⑦ 購入したNFTを転売 

 

NFT取引と暗号資産取引は別々に考える

NFTを販売した場合、売上代金は暗号資産で受け取ります。

 

そして暗号資産を売却等(換金、交換、買い物等)した場合、暗号資産の売却益(売却収入−暗号資産の取得価額)が課税されます。

 

NFT取引を行えば、必然的に暗号資産取引が発生します。

 

よって、NFT取引の所得計算と、暗号資産の所得計算は、同時かつ別々に記帳する必要があります。

 

 

 

 

 

 

暗号資産を総平均法で記帳する場合、1年間の暗号資産の取得価額と数量を集計し、初めて暗号資産の所得金額が決定します。

 

暗号資産の取得を正確に記帳していかなければ、暗号資産の所得計算はできません。

 

①暗号資産を購入

NFT取引開始時、必ず暗号資産を取得します。

 

取得時点では、暗号資産を取得だけで、課税関係は生じません。

 

ただし、暗号資産購入時する度に、暗号資産の購入(ここでは総平均法)の記帳する必要があります。

 

 

 

 

 

 

後に暗号資産を売却等する場合、売却等した暗号資産の取得価額を算定するため、取得時の数量、レート、日本円換算金額が必要になるからです。

 

②NFTを製作・発行 

写真等をNFT化した場合など、NFTの製作・発行時点では、NFTや暗号資産の課税関係は生じないと考えられます。

 

単に商品を抱えているだけに状態と同様だからです。

 

ただし、後にNFTを販売した場合の所得計算の為、製作にかかった経費を記帳しておく必要があります。

 

 

 

 

③製作したNFTを販売 

製作したNFTを販売した場合、販売価格を売上高として認識すると考えられます。

 

会社員の副業であれば雑所得、個人事業主であれば事業所得の収入金額と考えられます。

 

NFTの販売価格は、暗号資産(ETH)で表示されています。

 

よって、売上高として認識する金額は、販売時における暗号資産の日本円換算金額と考えられます。

 

 

 

 

 

 

同時に暗号資産を受け取るため、暗号資産の取得の記帳を行います。

 

暗号資産の取得価額は、売上に計上した金額と同額と考えられます。

 

 

 

 

 

 

なお、ここではあくまでも、営利目的としてNFTを販売したと考えています。

 

④NFTのロイヤリティを受領 

製作・販売したNFTが転売等された場合、NFT製作者にロイヤリティ収入が支払われます。

 

ロイヤリティを受け取った場合も、③と同様に売上高と認識する必要があると考えられます。

 

NFT販売時の売上高を雑所得の収入金額とした場合は雑所得、事業所得の収入金額とした場合は、事業所得の収入金額とする考え方が合理的と考えられます。

 

ロイヤリティ収入も、暗号資産で受け取ります。

 

よって、売上高として認識する金額は、ロイヤリティ受取時における暗号資産の日本円換算金額と考えられます。

 

 

 

 

 

 

同時に、暗号資産の取得の記帳を行います。

 

暗号資産の取得価額は、売上高(ロイヤリティ収入)に計上した金額と同額と考えられます。

 

 

 

 

⑤受領した暗号資産を日本円に換金(売却、交換等)

NFTの販売やロイヤリティとして暗号資産を受け取った後、日本円に換金(売却や他の暗号資産に交換を含む)することがあります。

 

この取引はNFT取引ではなく、単純に暗号資産単独の取引であるため、NFT取引による課税関係は生じないと考えられます。

 

暗号資産売却時の日本円換算金額が、暗号資産(雑所得)の収入金額と認識されます。

 

 

 

 

 

 

同時に、暗号資産の売却の記帳を行います。

 

暗号資産の収入金額から、総平均法で算出した暗号資産の取得価額を差し引いた金額が、暗号資産の所得になります。

 

 

 

 

⑥NFTを購入

NFTを購入した場合、NFT取得時点では、NFT取引自体に課税関係は生じないと考えられます。

 

ただし、後にNFTを転売した時の所得計算のため、いつ、いくらでNFTを購入したか、把握する必要があります。

 

具体的には、NFT購入日時、購入価額、購入時のレート、日本円換算を記録保管しておく必要があります。

 

また、NFT購入時の支払いは、暗号資産で行われます。

 

よって、NFTの取得価額は、購入時に支払った暗号資産の日本円換算金額と考えられます。

 

 

 

 

 

 

同時に、暗号資産で買い物(NFTの購入)をした場合、暗号資産を売却したものと取り扱われ、暗号資産の売却の記帳を行います。

 

暗号資産の売却収入は、購入したNFTの取得価額と考えられます。

 

暗号資産の収入金額から、総平均法で算出した暗号資産の取得価額を差し引いた金額が、暗号資産の所得になります。

 

 

 

 

⑦購入したNFTを転売 

購入したNFTを転売した場合、転売による売上代金は、譲渡所得か雑所得、事業所得のいずれかの収入金額になると考えられます。

 

転売収入は暗号資産で受け取ります。

 

よって、転売時の暗号資産の日本円換算金額が、転売による売上代金だと考えられます。

 

転売による売上代金から、転売したNFTの取得価額を差し引いた金額が、転売による所得になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時に、売上代金として暗号資産を受け取ったため、暗号資産の取得の記帳を行います。

(ここでは暗号資産の記帳は割愛します。)

 

暗号資産の取得価額は、転売による売上代金と同額と考えられます。

 

ただし、転売による収入が、実際にいずれの所得になるのかはわかりません。

(上記の例では、譲渡所得としています。)

 

NFTを「ある特定の1点物」と考えるのであれば、譲渡所得とされるかもしれません。

 

しかし、暗号資産のように「支払手段」とされた場合、雑所得とされるのかもしれません。

 

保守的な方法をとるのであれば、雑所得です。(最も多くの税金が発生します。)

根拠法令

取り扱い未公表につき、根拠法令はありません。

まとめ

今回は、NFT関連取引に関して、考えられる税務上の課税関係を、ザックリ推測しました。

 

取り扱いが未公表であるため、令和3年分の所得税の確定申告では、考えられる方法で申告を行うこととなります。

 

事業所得、雑所得、譲渡所得のいずれかで申告するのかは、納税者自身で責任を持つ必要があります。

 

最低限、NFTや暗号資産を取得・売買した時の数量、レート、日本円換算金額、その他手数料は記録しておく必要があります。