ふるさと納税は節税ではなく税金の前払い。本来のふるさと納税をしてみよう。

2020年のふるさと納税は日本全体で鑑みると、ふるさと納税そのものの金額より、返礼品や広告等の支出額が超過したようです。

 

ふるさと納税をする人が増加する程、市町村や都道府県全体が苦しくなるということです。

 

ふるさと納税で節税を図ろうと考える方も多いようですが、ふるさと納税をしても節税にはなりません。

 

ふるさと納税は、単なる所得税・住民税の前払いです。

 

返礼品とは、前払税金のご褒美を受けているに過ぎません。

 

今回はふるさと納税が税金の前払いである理由を、シンプルに説明します。

 

 

all paints by Ryusuke Endo

 

ふるさと納税は税金の前払い

ふるさと納税をした場合、確定申告をすると、ふるさと納税額(以下、寄附金額)から2,000円を引いた金額だけ、所得税と市民税が安くなります。

 

例えば、10,000円ふるさと納税した場合、8,000円所得税と市民税が減ります。

 

そして寄付金額に応じ、各市町村から返礼品が支給されます。

 

会社員(所得税率10%)がふるさと納税をした場合は、下記のイメージです。

 

ふるさと納税を寄附金控除として確定申告すると、まず年末調整された所得税の還付を受け、翌年1年間の市民税が安くなります。

 

 

 

 

上記のイメージからわかる通り、ふるさと納税は節税ではありません。

 

ふるさと納税として一旦支出した金額が、翌年1年間かけて税金が安くなるというだけです。

 

安くなるというのは、所得税が還付され、市民税が減額されるという意味です。

 

節税という観点で捉えるのであれば、節税ではなく、所得税・市民税の前払いに過ぎません。

 

ふるさと納税の本来の姿

ふるさと納税とは本来、自分が生まれ育ったり、お世話になった市町村に対し寄附をする制度です。

 

所得税法上の寄附金控除に該当し、寄附のお礼として、市町村からお礼があるという制度です。

 

例えば、長年生まれ故郷にお世話になったものの、就職等により県外へ移住した場合、市県民税の納税という観点では、生まれ故郷に一切貢献することはできません。

 

市県民税は、転居先(居住地)の市町村に納付するからです。

 

どんなに転居先でお金を稼いで納税しても、故郷には貢献できません。

 

転居してしまったのでは、自分を育てくれた故郷、また学生時代(大学生活など)にお世話になった市町村に貢献できない。

 

ふるさと納税は、本来、そんな悩みを解消すべく、お世話になった市町村に少しでも貢献すべく創設された寄附金制度です。

 

返戻品をいただくことも、ふるさと納税自体も、決して悪い制度ではありません。

 

ただし、もし10万円ふるさと納税するのであれば、その内の1万円は、本来のふるさとをしてみましょう。

 

返礼品目的で行うのではなく、自分の生まれ故郷や学生時代に過ごした市町村へ、返礼品不要として、本来のふるさと納税をしてみましょう。

 

まとめ

ふるさと納税は、日常生活では知らなった日本の市町村を知る事ができる良い制度です。

 

しかし、節税対策ではなく、本来は純粋な寄附金です。

 

ふるさと納税をした結果、日本全体で支出超過であるのなら、財政は逼迫していくだけです。

 

良識がある大人であれば、それが何を意味するのかは即座に検討がつきます。

 

毎年ふるさと納税をするのであれば、その内の少しだけ、自分の地元へふるさと納税してみましょう。

 

返礼品不要の本来の寄附金控除制度として、ふるさと納税を行ってみましょう。