自費の白い歯にした場合の医療費控除について。

日本の予防歯科の意識は欧米と比べ、非常に低いと言われていました。

 

そんな状況もここ10年程で大きく変化し、今や毎日のデンタルフロスの使用、そして幼少期からの歯科矯正、ホワイトニングが常識となりました。

 

しかし、歯科治療というと、1万や2万では収まらず、10万以上の高額支出となり、医療費控除を受ける方も少なくありません。

 

とりわけ白い歯や詰め物は、かなりの高額に。

 

平成30年の確定申告において、僕自身も「白い歯」の医療費控除を適用しました。

 

それらを踏まえ、医療費控除の対象となる「白い歯」について説明します。

 

 

all paints by Ryusuke Endo

 

僕が行った歯科治療

毎年3カ月に1度、歯の定期健診に通っています。

 

歯石の除去やクリーニングで済む時もありますが、昨年は4月から10月まで長期間通い、「約35万円程の支出」となりました。

 

僕の治療過程は下記の通りです

 

1、前歯 硬質レジン前装冠にヒビが入る。

  再根管治療を実施し、再度、硬質レジン前装冠。

2、フロスが絡み、金属の詰め物が外れ、レジンで詰め物を交換。

3、虫歯の治療の為、被せものを白い歯のCAD/CAMで作成。

4、奥歯2本の根幹治療を実施。

  被せものを白い歯のジルコニアで作成。

5、顎関節症治療の為、アクリルのマウスピースを作成

 

詳細を説明しますと、

 

・上記1は、保険適用で5,000円程の白い前歯です。

・上記2は、保険適用の光CRの詰め物(インレー)です。

・上記3は、保険適用で5,000円程の白い歯(クラウン)です。

 CAD/CAM冠は、上下小臼歯以外は自費となります。

・上記4は、自費で2本合計300,000円程です。(土台も含めます。)

 人工ダイアモンドと言われる高級なジルコニアです。

・上記5は、保険適用で5,000円程です。

 

結論は、上記全て医療費控除の対象」となります。

 

医療費控除の対象か否かの判定基準

高額な歯科治療というと、「白い歯の被せもの」、「白い歯の詰め物」、「入れ歯」、「インプラント」などが該当します。

 

治療の最終段階において、例え高額であっても、その「見栄えの良さ」から「白い歯の被せもの」、「白い歯の詰め物」を選択される方も少なくありません。

 

「高額な自費治療は、医療費控除対象か不安。」

 

と思わわれる方も多くいますが、判断すべき点は1つだけ。

 

い歯や白い詰め物は、虫歯の治療の一環によるものだったのか?見た目を綺麗にしたいだけだったのか?

 

白い被せもの(クラウン)も詰め物(インレー)も、その殆どが、虫歯治療の最終段階で行われる事が多いと思います。

 

よって、「虫歯の治療の一環」であれば、医療費控除対象に、「見た目を美しくしたい審美的要素」であれば、医療費控除は不可となります。

白い歯の素材について

歯科医院で被せものを作成する場合、予算に応じ、必ず保険適用で行うか?それとも自費で行うか?

 

主治医より説明を受けると思います。

 

自費の白い歯というと、一般的に下記のようなメニューがあるはずです。

 

Web上で歯科医院を検索すると、多くのHPで下記の文言について、閲覧する事ができます。

 

硬貨レジン前装冠白い保険保険、部位により自費
硬貨レジンジャケット白い保険、部位により自費
CAD/CAM冠白い保険、部位により自費
オールセラミック白い自費
メタルボンド白い自費
ハイリッドセラミック白い保険、部位により自費
e-max白い自費
ジルコニアセラミック白い自費
フルジルコニア白い自費
ゴールドクラウン(金歯)金色自費
メタルクラウン(銀歯)銀色保険

 

 

国税庁によると、医療費控除の対象となる自費治療の歯の素材は、「治療材料として一般的に使用されている素材」とされています。

 

「何をもって一般的か?」という疑問がありますが、少なくも多くの歯科医院のHPでは、上記の素材を目にする事が出来ます。

 

広く一般大衆が目にすることが出来るので、上記の素材は一般的な素材と言えると思われます。

 

噛む機能の回復であれば医療費控除となる

歯科治療を行う場合、・保険適用か?自費か?・高額な白い歯か?お手頃な金属の歯か?に関わらず、被せものや詰め物の治療の根本は、「虫歯の治療」です。

 

そして「虫歯の治療」とは、「う蝕」による「咀嚼機能を取り戻す事」です。

 

被せものをジルコニアやセラミック、詰め物をセラミックにしたり、またインプラントやブリッッジ、入れ歯を選択する事もあります。

 

しかし、その治療目的が虫歯(う蝕)による「咀嚼機能の回復」であれば、医療費控除の対象となります。

 

多くの歯科治療の場合、虫歯を患い、または歯を失ってしまった為に、被せもの、詰め物、インプラント、ブリッジや入れ歯などを作成します。

 

これらの治療過程の主たる目的が「咀嚼機能の回復」であれば、医療費控除の対象となります。

虫歯以外の歯の治療の場合

予防歯科の考えが浸透した現在、虫歯以外の治療においても、歯科医院に行く機会は多々あります。

例えば、

 

6、歯のホワイトニング

 7、虫歯は無いが、白い歯に交換したい

  (健康な歯を削り白い歯を被せる)

 8、虫歯は無いが、白い詰め物に交換したい

 (歯を削り白い詰め物を入れる)

 9、歯科検診費用

10、歯石の除去費用

11、マウスピースの作成

 

上記は、「咀嚼機能の回復」では無い為、医療費控除の対象とはなりません。

 

ただし、上記10の「歯石の除去費用」については、「歯周病治療」による場合、医療費控除の対象となります。

 

ここでは触れていませんが、「歯周病治療も医療費控除の対象」です。

 

通常、歯周病治療を行う場合、複数回にわたり通院をします。

 

よって、「定期健診による歯石除去か?」「歯周病治療による歯石除去か?」必ず区別しておきましょう。

 

更に、上記11の「マウスピース作成費用」についても、「顎関節症の治療」によるものは、医療費控除の対象となります。

 

顎関節症治療の多くは、「噛み合わせ回復(不正咬合治療)」によるものです。

まとめ

歯科治療については、高額になる事が多々あります。

 

白い歯や白い詰め物の治療をした場合、その治療の始まりは、虫歯の治療だったのか?美しくしたかったからなのか?

判断する事が可能なのは、「実際に治療を受けた自分自身」です。

 

また、「単なる歯科検診費用」は、医療費控除の対象とはなりません。

 

しかし、それは領収書だけでは判断ができません。

 

その領収書は、「検診費用か?治療費用か?」判断する事が出来るのは「自分自身」です。

 

適正な医療費控除を心がけましょう。

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